ローヤルゼリーの移虫から採取までの時間
ローヤルゼリーの値段が高く、大量生産できない理由の1つに採取するまでの過程に手間暇がかかっていることが挙げられます。
一体ローヤルゼリーはどうやってできているのでしょうか?
1.ローヤルゼリーができるまでの過程
ローヤルゼリーは生まれてから3〜12日の若い働き蜂が花粉を食べ、それを体内で消化、分解、合成し、ミツバチの分泌腺である下咽頭腺や大アゴ腺などで作られます。
春から夏にかけて自然界では次の女王蜂を誕生させるために、完成したローヤルゼリーを王台と言われる女王蜂の卵が産み落とされている特別な部屋に貯めていきます。
自然に作られた王台は数が少ない上に、収穫できるローヤルゼリーの量も多くはありません。
また、王台からローヤルゼリーを採取してしまうと、次の女王蜂候補の蜂も育たくなります。
そのため、一般的にはローヤルゼリーの採取には自然に出来た王台を利用せず、この習性を利用して人工王台を使います。
人工王台を使い幼虫を移してローヤルゼリーを溜めるという採取方法により、1つの巣箱からより多くのローヤルゼリーを収穫することが可能になりました。
では、ローヤルゼリーができるまでの過程を詳しく見ていきましょう。
まず自然に作られた王台を女王蜂の群れから人為的に隔離します。
次に巣枠の下部にプラスチックの人工王台をいくつか設置し、その中に生後3日以内の幼虫を移します。
これを移虫と言います。
人工王台を設置した巣枠を女王不在のコロニーが形成されている巣箱の中に納めます。
すると人工王台の中の幼虫を女王蜂だと思い、働き蜂はせっせとローヤルゼリーを与え始めます。
幼虫を移してから72時間以内に人工王台を設置した巣箱を取り出し、ローヤルゼリーを採取します。
この作業を丁寧に傷まないよう1つ1つ手作業で迅速に繰り返すことで、1年あたり250〜500gのローヤルゼリーを採取することができます。
2.ローヤルゼリーの移虫から採取までの時間
王台は約72時間でいっぱいになりますが、王台にローヤルゼリーが分泌されてから採取されるまでの時間は40時間が理想と考えられています。
その時間までに採取されたローヤルゼリーは活性成分が豊富で吸収に優れているため、貴重なローヤルゼリーとして重宝されています。
40時間以上かけて採取したローヤルゼリーは、時間の経過とともに固形成分の量が増えます。
その分、生産量も増えてコストは安くなりますが、活性成分の量は減少します。
また、採取時間が長くかかればかかるほど、酸化が始まり、活性度も低下します。
全国ローヤルゼリー公正取引協議会の規約では、移虫後72時間以内に採取したものでないとローヤルゼリーの公正マーク商品として認定されません。
良いローヤルゼリーを選ぶためには、値段は高くなりますが採取されるまでの時間がより早いものを選ぶことをお勧めします。